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これでいいのだ!

 

宗教や哲学、思想系の本を読んでて思うのは、それが「実践を基本とするもの」に自分はより惹かれるなぁということ。古代ギリシャ、中世の神学、近現代といった西洋哲学よりも東洋哲学により興味が向く。

 

イ ンド哲学(ヨガの礎となるヴェーダやヒンズー思想、釈迦の教え)をはじめ、孔子、孟子、韓非子老子荘子朱子といった中国哲学。それから日本にヨガを もらたしたと言われる空海をはじめ最澄、法然、親鸞、道元、日蓮など・・・もっぱら東洋系を中心に浅く広く、時に深くピンポイントに読み漁る中で手にした 一冊。

 

バカボンのパパと読む「老子」  角川SSC新書 (角川SSC新書)

バカボンのパパと読む「老子」 角川SSC新書 (角川SSC新書)

 

著者のドリアン助川氏は「叫ぶ詩人の会の人」くらいの認識だったんだけど、バカ田大学の隣で東洋哲学を学ばれたそうで、文筆業の他にカルチャーセンターで原始仏教の経典や般若心経を読んだりする講座を持たれたりとマルチな活動をされてる方みたい。知らなかった。

 

で、老子。彼は「無為自然」という思想で、人間が生きるべき「道=TAO(タオ)」を説いた人。

 

それまでの儒教思想的な「人為(仁、義、礼、智、考)」をぜーーんぶ否定して、人の知恵でアレコレ考えて策を練ったりとかってそんなもんやめてまえ!と。大いなる自然の摂理(道)にまかせて、そこから生き方を考えたらええのんや!と。

 

春秋戦国時代を生きた老子にとって、ドンパチ争いが絶えない乱世をどう生きるか?だとか、立身出世だとか国を強くするだとかってことにたまらないエゴを見たんだろうな。もっと強く、もっと領土を!と災いを生む欲望を捨てることを説いていて、また「知足(足るを知ること、サントーシャ)」をも説き、やがてこれが仏教思想と交わって「禅(ZEN)」へと発展していくみたい。

 

ヨガでも「タオヨガ」とか「タオイズムヨガ」「タオイストヨガ」ってのがあって、道教思想とヨガが融合したひとつのアプローチらしいんだけど、勉強不足でよく知らない。また、道教思想と儒教思想って相反するものとしてよく比較されてたりするんだけど、そのあたりについても今後ちゃんと整理してみたいな。

 

で、この本はやはり着眼点と手法が面白いなぁ、と。入口のハードルを下げて興味喚起するひとつのやり方として、こーゆー切り口の本があってもいいよね。

 

本書は全81章からなり、まず老子さんが原文と読み下し文を担当。漢字が難しくてさっぱり意味わかりません。そのあと著者による日本語訳があって、バカボンのパパによる「パパ語訳」が続く。時々ママやはじめちゃん、バカボンが出てきて「ちょっといいこと」を言ったりもする。

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バカボンかわいいなぁ~。

 

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ううむ。

 

 

各章はパパ語で紹介されている。

 

・なるようになるのだ

・成功したら去るのだ

・欲がないと静かなのだ

・バカをつらぬくのだ

・バカに見えれば本望なのだ

・まっすぐな人はぶれぶれなのだ

・近道は間違う道なのだ

・反対の反対なのだ

 

あとがきに著者と生前の赤塚不二夫氏のエピソードがあって、これはグッとくる。赤塚先生もまたTAOの人だったんだなぁ、と。

 

「これでいいのだ!」と日常を送ることはなかなか難しいことだけれど、自然から生まれて自然に還っていく存在として、素朴にシンプルにモノを考えるひとつの手立てとして、「こんな考え方があるんだなぁ」とすんなり入りやすい一冊。

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バカボンの由来が「薄伽梵(バガヴァーン=大悟者)」であるとか、タリラリラーンはチベット仏教のマントラだとか、実はトリビアの絶えないアニメなのだー。

 

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