ロコモ、定着するか?!
厚労省のガンバリ広報のおかげですっかり定着したメタボ。このメタボリックシンドロームとは「代謝症候群」って意味で、内臓脂肪型の肥満を見つけ出して糖尿病などの生活習慣病の予防改善に努めよう!って目的のもとに定義された健康概念。
メタボの注意喚起は奏功し、健康意識の置きどころとしてかなり浸透してるわけなんだけど、次に厚労省が提唱しようとしてる定義、それが・・・、
ロコモ!
・・・って、ハンバーグ丼 が浮かんだりカイリー・ミノーグの歌が聴こえたり、ひょっとしてビーチボーイズが無邪気に脳内再生されて「それはココモ!」と突っ込んだ方もおられるでしょうがぜーんぶ不正解っ!
これ、正式にはロコモティブ(Locomotive)シンドロームの略で、「運動器症候群」という意味。日本整形外科学会が提唱してる新たな概念。
骨や筋肉、関節といった「身体を動かすために必要な運動器」は加齢により衰えるため、歩くとか立つ、しゃがむといった基本動作や移動能力がおぼつかなくなり、その結果支援や介護が必要になったり、場合によっては血管障害や認知症を併発しやすくなるよ、と。これらの原因としてあげられるのが・・・、
◆筋力の衰え
◆バランス機能の低下
◆運動器の疾患(骨そしょう症、変形性関節症、脊柱管狭窄症)
トイレのたびにスクワット、煮炊きのために土間に降りて→しゃがんで→立って→居間にあがって、ちょっと買い物にけっこう歩いて、布団のあげおろしをして・・・もはやそんなことなあああんにもやらずにすむ生活。
動く歩道と、センサーでフタがパッカーンと開閉する洋式トイレを初めて見た時、「SF!もはやSF!どんどんバカになっちゃうよ~」と思った。
抗菌だ滅菌だ!って不潔を煽ったり、
時間短縮サイコー!と効率性を追求してモデルチェンジされるオニ便利なツールに囲まれた「指いっぽん動かさない身体生活」がうすら怖い。
多くの身体機能をあんまし使わなくてすむラクチンな生活に、「便利でやったねひゃっほー!」と私も昔は思ってたんだけど、一点集中的に酷使しまくる機能の深刻な疲弊とアンバランスさに気付いてからは、とても「ひゃっほー!」とばかりは思えなくなってしまった。
もっと使わなくっちゃ!
- 作者: 養老孟司,島田雅彦
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 単行本
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で、この本のキーメッセージは『中枢は末端の奴隷である』ってこと。
つまり脳はとっても合理的・効率的に機能してて、用もない所は活動してない。もしアナタに突然いまシッポが生えたら、シッポを動かすための脳機能が新しく活動をはじめるし、そのシッポがなくなれば関連する脳機能も活動をやめる、と。
アナタの体が(末端が)、アナタの脳のリミットを決めてる。だから、「使えると知ってる部位」だけを「いつも使ってる使い方」ばかりではダメですよーという脳科学寄りのメッセージ。
そう言われると今すぐカラダをいろいろ動かしたくなりません?
ヘンテコなヨガのポーズとかやりたくなりません??(むりやり)
脳科学や生理学はさておき、「とにかく運動器をよーく使おうぜ!」ってシンプルな話として、ロコモがわかりやすくまとめてあるサイトはコチラ→日経トレンディネット
機能より見た目!の若者にはピンとこない概念かもしれないけど、昨今の小学生は(小学生に限らずだけど)和式便所が使えない→和式便所撤廃、と聞いてそれはどうなんだ?と。しゃがめよ!と。筋力も柔軟性もないまま清潔志向だけ持ってインドに行く気なの?と(みんな当然インドに行くよね!の前提)。
介護だ支援だとお年寄りばかりを煽り立てず(実際シニアの方は体感として十分認識してて、私の母は「ボケは足腰から!」ってよく言ってる)、ぜひ広い世代に認知され、若いうちからの予防として意識が高まるといいな。
ロコモ予防のひとつの手段として、私はもちろんヨガをオススメするわけだけど!
(C)NIKKEI TRENDY NET
スクワットからのヤンキー座り(ウトゥカタ→マーラーサナ)がツライって若い人、実際多いと思うんだけどな~。雑誌ターザンあたりが詳しく取り上げてくれれば若い世代への認知UPにもなるかもね!