日本ヨーガ療法学会研究総会 in宮崎

 

年に一度行われる総会に初参加!

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今年の開催地は天孫降臨古事記の里として、また高千穂や霧島といったパワースポット(って言い方はあんま好きじゃないけど)が有名な私の地元、宮崎シーガイア。

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初日の朝は、吉田紀子先生による「介護予防とヨーガ療法」の講演から。

 

現在、鹿児島県赤十字血液センター所長を務める医師の吉田先生は、医療現場での予防医学と国策の必要性を感じ行政へ転換され、平成21年度から「ホリスティックヘルスプラザ鹿児島」を拠点にヨーガ療法も取り入れた取り組みを展開されている。

 

講演の主な内容は・・・

 

◆予防医学・介護における外部環境について

◆国策が「治療」から「予防」にシフトしてきたこととその現状

代替医療統合医療についての比較と整理

◆鹿児島で取組んでいるヨーガ療法のレポート(エビデンス&ナラティブベース)

 

等々、1時間じゃ時間が足りない、濃くて有意義な講演だった。何より、医療従事者と行政とが一環となった取組みを知ることができて、今はまだ実践が伴わない「机上の学問としてのヨガ」をやりがちなイチ学生の私には、大変刺激となる講演だった。

 

 

ちなみに講演会場の外ではヨーガやアーユルヴェーダの専門書やCD、DVD、スパイスや茶葉、オイル、ウェアといった物販ブースも設けられていた。

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数多くのサロンでも使用され、私も去年の横浜ヨガフェスタ2012で購入してからすっかりお気に入りの瑞健(ZUIKEN)さんのオイルも出張販売されてた!ラッキー!

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今年の横浜ヨガフェスタ2013でも出張販売される予定とのこと。

 

 

そんなこんなで初日の午後は、楽しみにしていたトラウマ・ケアのパイオニアで米ボストントラウマセンター創立者のコーク博士(Bessel van der Kolk, M.D./ボストン大学医学部教授/精神科医)の招待講演。

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(C)日本ヨーガ療法学会

 

世界のクロサワと三船敏郎の大ファンだというコーク先生。時にユーモアを交えながら専門性の高い内容を、データやチャート、実際のカウンセリング時の動画等も交えながらのわかりやすい講演。

 

弁証法的認知療法とヨーガ療法の比較や、EMDREye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作および再処理法)という比較的新しい心理療法によるPTSD治療のトピックなど、なかなか知ることのできない貴重な話をたくさん聞くことができた。

 

また今回コーク先生の通訳を、このブログでも度々紹介している鬼塚チェイス円先生が務められたんだけど、かなり専門性の高い話だったので(網様体が~、迷走神経が~、脳幹が~、)準備とか大変だったろうなぁ。

 

とてもわかりやすく、なによりマドカ先生自身が楽しそうに通訳をされてたのが印象的だった(写真は質疑応答中のコーク先生とマドカ先生)。

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コーク先生&マドカ先生は、翌日に大阪で開催された「国際トラウマケアシンポジウム」へと旅立たれました。

 

 

続いて、医師で日本統合医療学会理事長の仁田新一先生による「統合医療の今後の展望」についての講演。

 

未来型医療としての統合医療が目指す概念や、学会が担う役割、「①人的資源 ②医療材料不足の軽減 ③方法論の解決 ④財源不足の軽減」といった課題等がわかりやすく整理説明され、「統合医療って結局なに?」と思ってた私はだいぶクリアになった。

 

方法論の提示や解決には「データ化(とくにナラティブベース)」や「評価法や評価軸の確立」の整理が急がれるところであるなぁ、と。

 

 

そして夜は懇親会!

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口蹄疫から復活し、再び日本一のブランド牛に返り咲いた宮崎牛をはじめ、地鶏や様々な地産物が「これでもか!」とふるまわれ、ちゃんとベジタリアン食も用意されてたりでさすがはヨガのイベント!どれもこれもかなり美味しかったー!

 

カツオの一本釣りは実は高知ではなく宮崎がNo,1である・・・といったプロモーション用に大量のカツオのたたきがふるまわれ、地ビール地ワインもちろん焼酎、マンゴーを使ったスイーツに、「くらえ!」とばかりのご当地キャラや「ひょっとこ踊り」まで飛び出し、『コンベンション・スポーツランド』を推進する宮崎の情熱を感じた。

 

 

そして2日目は症例研究レポートから。

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全国のヨーガ療法士による約240の症例研究レポートが一斉に行われ、聴講者はあらかじめ興味のある症例にあたりをつけておいて、時間ごとにぐるぐる回って発表を聞いていく。テーマそのものに対する興味はもちろんだけど、ヨーガ療法士としてのアプローチの仕方や考察、プレゼンのまとめ方に至るまで大変参考になる内容。

 

こちらは東京八王子のTAKT EIGHT(タクトエイト)代表で理学療法士の中村尚人先生による症例研究発表の模様。

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尚人先生には代々木アンダーザライトヨガスクールでのティーチャートレニーングで解剖学をお世話になり、またこのヨーガ療法の存在を教えていただいた。

 

理学療法士として長く臨床に関わった後、「治療」から「予防」へ医療シフトすべきとの思いから独立され、現在八王子を中心に全国で講義をされたり書籍を執筆されてる(代々木アンダーザライトでもクラスを受け持たれてます)

 

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分刻みでウワーーーッと慌ただしいながらもたくさんの症例研究発表を見てまわって思ったのは、ここには「〇〇ティーチャートレーニング」とか「〇〇ヨガ」といった聞いたこともないような(けれどしっかり商標登録されてるような)新潮流や、「トレンドは肩甲骨!」といった目新しさを追いかけるような、いわゆる一般のヨガマーケットとは一線を画すヨガが存在しているということ。地道な歩みを進める療法士の先輩方に心を打たれた。

 

 

この後も「妊婦とヨーガ」や「産前産後のアーユルヴェーディックケア」「ヨーガとアーユルヴェーダの産前産後の日常生活の過ごし方」といった講演やパネルディスカッションが続いた。

 

 

最終日は県民公開講座として、日本ヨーガ療法学会理事長の木村慧心先生によるヨーガ療法体験や、日本アーユルヴェーダスクール校長のクリシュナU.K先生の講座が行われ、3日間に渡る総会は閉幕。

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 咀嚼がぜんぜん追いついてないけれど、ひとまず現場からは以上です!事務局や運営に関わった全ての関係者の皆さま、オツカレさまでした!