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気配、もののけ、精霊たち

読書メモ

 

雨の匂いが強くし、樹木や草花の「生きてる感」も増して、雨水をゴクゴク飲んでる音やメリメリっと光合成する音が聞こえる。ような気がする。

 

生き物たちも活発に活動し世界中の庭はザワザワそわそわ・・・そんなこの季節に読むのが大好きな物語。

 

家守綺譚

家守綺譚

 

草花や鳥、珍獣、妖怪や鬼や河童や人魚、そして死者・・・目には見えない、聞こえないとされる「気配」や「もののけ」「精霊たち」に、時にだまされたりバカにされたり、惚れられたり(!)しながら自然体の日々を送るオトコの話。

 

著者は「西の魔女が死んだ」が有名で(映画化された)、児童文学作家とカテゴライズされる事もあるようだけど、これはぜひ大人に(特にヨギに)おすすめしたい作品。ファンタジーとかおとぎ話と呼ぶにはあまりに身体的で、様々な感覚が呼び起こされる。

 

実際に「香り」を嗅ぎ「気配」を感じ、「目に見えないモノ」や「死者」との交流をリアルに感じる。ヨガの経験と比例して、その感度は年々高まっている気がする。

 

ヨガによる身体性・霊性の高まりによるものなのか?

加齢が抱かせる単なる憧憬なのか?

ってかただの思い過ごしなんじゃないのこれ?

 

・・・ま、そんなことは置いといて、普通に楽しめる作品です。いくつもの短編で構成されてて読みやすく、また作品に出てくるたくさんの草花をまとめたサイトもあり、それを見ながら読むのも楽しい。

 

進化やテクノロジーを否定する懐古主義者ではないけれど、妖怪や精霊を「いる」と普通に信じ、共生し、自然と対等に暮らしていた「不便で未開発で豊かな時代」がうらやましく思える物語。

 

亡くなった親友が掛け軸の中からヒョイッと遊びにやってくるなんて、ちょっとよくないですか?

 

非科学的だ!検証せよ!なんて無粋は抜きにして、そーゆーモノたち(死者、自然、もののけ、精霊、見えないモノ)が照らす灯があり、温もりがあり、与えてくれる勇気がある。目に見えない、手でさわれない、だけどそれは生きてく上でけっこう大切だったりするんだよね。

 

 

梨木香歩氏の作品は庭や自然の描写がとても素晴らしいです。 

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

裏庭 (理論社ライブラリー)

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沼地のある森を抜けて

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f植物園の巣穴 (朝日文庫)

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