トリツカレ

 

夢中になったりチャレンジしたりバカをやるチャンスはあとどれくらいあるのかな?

トリツカレ男 (新潮文庫)

トリツカレ男 (新潮文庫)

そんなようなことをたまに考える。

 

 

主人公のジュゼッペはいろんなものに夢中になって、のめりこむと寝食を忘れて没頭してしまう。その没頭ぶりに、夢中さ加減に、トリツカレ度合に、周りの人から「バカだなー」と嘲笑されたり呆れられたり。「そんなことやってもムダだよ」と言われてもまったくお構いなしのジュゼッペ。

 

そんな彼が女の子に恋をする、いしいしんじ作品にしては比較的明るめのピュアなストーリー。彼の作品には何かにトリツカレた人がよくでてきて、私が一番好きな「麦ふみクーツェ」にも素数にトリツカレた人がでてくる。

 

たとえ傍から見たらくだらなかったりバカバカしいと思えるようなことでも、全身全霊で集中の時を過ごし、「いまこの瞬間」だけに向き合える幸せを持つトリツカレの人たちって、なかなか羨ましいと思うんだよね。

 

おそらく私も傍から見ればヨガにトリツカレの人。夢中なのか中毒なのか。愛着なのか執着なのか。冷静にグラデーションを観察できるトリツカレの人でありたいなぁ。

 

自他ともに暴力や迷惑が起こらないことが大前提ではあるけれど、トリツカレもしない人生なんてねえ?