ヨーガ療法で生かすフレームワーク
ヨーガ療法士には大きく2つのスキルが求められるとわたしは考えています。
【1】アセスメントスキル
会話の中で、クライアントの状況や症状や思いをヒアリングしつつ、性格や認知や思考のパターンを素早く読み解き、何が課題か?ポイントは?をヨーガをベースに洞察して見立てを行う技術。
1.クライアントとの会話 【傾聴力、質問力、バイアスを外す、信頼感の醸成】
2.ヨーガをベースとした見立て 【ヨーガの知識、経典の理解、自身の経験】
【2】カウンセリングスキル
【1】で導き出した見立てに対し、具体的な行為や行動を提示する技術。同時に、『計画→実行→検証→見直し』といったサイクルを、クライアントの納得感と共に回していく。
1.ターゲット・目標設定 【理由付け、クライアントとの合意形成】
2.アプローチ選定 【アーサナ、呼吸法、瞑想、マントラ等の技術提供と指導】
3.エビデンスの取得 【療法前後の比較、定性/定量調査】
4.フィードバック 【ターゲットに対しての進捗、計画の修正】
・・・そう、これってもろマーケティングや経営戦略、プロジェクト管理やコーチングといった一般的なビジネススキル系の話とリンクするんだよね。
ヨーガ療法はヨーガをベースにし、心と身体と精神の三位一体に包括的にアプローチする手段だけど、
療法士側には、ロジカルシンキングやフレームワーク思考法が非常に求められるんじゃないかと最近強く感じてます。
わたしは幸い本業のほうで論理的思考やフレームワーク思考を鍛えてもらったので、ここにきてダブルワークの意義が見出せてちょっとラッキーなのかも。
このロジシンやフレームワークが使えると、課題や状況整理のための「考え」が上手く、そして素早くまとまるようになって大変便利です。
「なんかビジネス臭がしてヨガっぽくない」とか、
「効率や合理性で到達できない分野をカバーするのがヨガでしょ?」とか、
いろいろ考え方はあるかと思うけど、これ、ビジネスやヨーガ療法に限ったことでなく、「誰かと会話をベースに関わる」という社会生活を送る上で、知っといて損はないんじゃないかな。
どうしてわたしの話は伝わらないの?とか、
なぜ相手の話が理解できないの?とか、
「しょせん生きる世界が違うし」ってよくわかんない感情論でカタをつけて排他する前に。いろんな人が、自由に考える多様性を許容できるように。
ってことで、以下カンタンな(有名な)フレームワーク法をご紹介します。
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◆ヒアリングと状況整理には「5W1H」
・When いつ
・Where どこで
・Who 誰が
・What 何を
・Why なぜ
・How どうやって
常に上記の軸で論点を整理すると把握しやすくなります。
◆カウンセリングには「PDCAサイクル」
・Plan (治療計画、何をGOALと定義するか)
・Do (実行、何を行うか、アーサナや呼吸法、瞑想は?いつ?何分何回?)
・Check (評価、定期的なチェックバックとエビデンスの取得)
・Action (改善、治療計画の手直し、)
計画から実行に移す際の手順を、時間軸に沿って整理できます。
◆論理的思考を経て結論を導く「So What?/Why So?」
・「So What?」つまり何?だから何?要するに何?
事象がいくつも重なり、話し手の私見が加わり、結論が見えない時に使えます。自分の中のダラダラとした悩みにも、「で、なに?」と使えます。
・「Why So?」なぜそう言えるの?本当にそう?
導き出した結論に対して、「マジでそう言えるの?」と、そこに納得できる理由付けがあるかどうかを整理していきます。
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これらは基本中の基本てゆーか、古典中の古典で、他にも「MECE」だの「演繹法・帰納法・弁証法」だの「オープン/クローズドクエスチョン」だの・・・、
ヒアリングや考えをまとめたり整理するためのフレームワークはたくさんあります。でも種類なんかたくさん覚える必要ないです。ぶっちゃけムダ。
本当に自分が実践で使えるヤツだけ。何度も何度も繰り返しワークして腑に落ちるモノだけ2~3使えればそれで十分。
「手法をたくさん用意すること」に溺れると、本来の目的を見失います。今回はヨーガ療法の現場でクライアントのために生かすことが目的です。
インプットも方向を間違うと、「策士、策に溺れる」になるので注意しないとですよね。『unlearning(学習棄却)』についてはまたいつか書こうと思います。
ってことで、
ヨーガの学び、
ヨーガ療法の学び、
それらに加えて実践的なカウンセリング技術も学ぶことによって、クライアントにとってより充実したセラピーを提供できるといいなぁと考えています。
※以下はわたしが30代前半にお世話になった本で、今となってはやや古いですが基本的な内容なので参考までにご紹介します。
ビジネス書コーナーで立ち読みしてみてくださいね!
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