痛みの話
アーサナを練習する中で向き合わざるを得ない慢性的な膝の「痛み」、
それをかばう中で生まれた新たな腰の「痛み」、
もちろん、充実したアーサナの練習が教えてくれる筋肉の「痛み」もある。
婦人科系の疾患が見つかり、大事ではないもののその存在を「知ってしまった」ことから顕在化しはじめたカラダの「痛み」があり、
さらに、友人の一年忌にあたってあらためて感じる心の「痛み」や、瞑想の中でふと蘇る心の「痛み」。
痛み、痛み、痛み・・・
最近「痛み」について考えることが多かった。
極めて個人的で、他者と共有しづらい知覚である「痛み」には大きく3つあって、
1.神経系の物理的損害や機能障害 →神経痛、
2.切り傷や打撲や体の組織損傷 →関節痛、筋肉痛、
3.心理的な要因 →心因性疼痛
とくに3は、考えや思いが肉体に影響を与えるとされていて、セラピストやボディワーカーの間ではルイーズ・ヘイ氏の「エモーショナル・ペイン・チャート(通称ヘイ・チャート)」が有名。
(c)karapaia
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またサーノ博士のTMS理論も有名で、
サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療
- 作者: ジョン・E.サーノ,長谷川淳史,浅田仁子
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1999/04/20
- メディア: 単行本
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ザックリ言うと、「ココロの問題から気をそらすためには、身体が痛めがいい」ってこと。
蓄積された心の問題(不安、怒り、悲しみ、)が限界を超えた時、脳が勝手に腰痛などの肉体的な痛みを起こして、常にその肉体的痛みに心を向けさせるように仕向け、根本的な心の奥底の問題から目をそむけさせる・・・という理論。
「心の問題をカモフラージュするために、脳が肉体に痛みを起こさせる」というメカニズム。
かように、「痛み」と一言でいってもその発症原因は様々で、またその程度は他者と共有しづらく、さらに向き合い方も人それぞれ。
「痛み」とどう向き合うか?
「NO PAIN, NO GAIN(痛みなくして実利はない)」とか、痛みが伝えるメッセージがあるとか、意味のある痛みであるとか、
わたしたちは状況に応じて様々な解釈をすることができる。そしてたぶんそれはどれも正解なんだと思う。
「痛み」に対する措置よりも、「痛み」に対して納得のいくポジティブな解釈をすることのほうが重要な場合もあるし。
・・・などなど、「痛み」と向き合うってなかなか奥深いなーと思う今日この頃、わたしがもっともしっくりきてる愛用のマントラ(ストックフレーズ)をご紹介。
「痛みは避けがたいが、苦しみはオプションだ」。
これは5月まで運営されてた村上春樹氏の交流サイトで氏が紹介していたもの。
フルマラソンや過去にはトライアスロンもやっていた村上氏が、相当にキツイ極限状態の中でブツブツとつぶやいてる・・・とおっしゃっていて、
たしかに痛みは避けがたいよなぁ。肉体的にも精神的にも。だけどそれを「苦しみ」とするかどうかはわたしの選択しだい、わたしの自由なんだなーと。
そう思うと、「痛み→苦しみ」に無駄に発展して育てずにすむようになったかな。
もうひとつのお気に入りは以前紹介したルーミーの言葉で、吉川めい先生もブログで紹介されてます(めい先生の哲学のトピックは素晴らしいですよ!)。
The wound is where the light enters you. (傷口こそが、光があなたの中に入る入り口である。)
痛みも傷も受け容れていこう…
捉え方(認知)ひとつでガラリと変わる心持ちってありますなー。わたしはMYマントラのお蔭で「様々な痛み」との向き合い方が変わり、少しラクになったかな。
あ、急性期の痛みはさくっと専門医にかかりましょうね!