砂漠に憧れて
みんなラクダに乗りたいかー?
おーーーーー!
ってことにはたぶんならないと思うけど、わたしはなぜか子供の頃から砂漠好き。ラクダに乗って月の砂漠を歩いてみたい!といつの頃からか憧れるようになった。
思い返すに、「ひらけーゴマ!」と叫ぶ大役を任されたのはたしか幼稚園の劇で、
頭にターバンもどきをぐるぐる巻いたときにワクワクしたことを覚えてる。その後「アラジンと魔法のランプ」や「千夜一夜物語」を読むころには、「なんだか不思議な砂世界があるらしい・・・」と理解していた。
わたしの心の砂漠世界にはいつも三日月が昇り、ラクダと旅し、ターバンを巻いて、ランプと絨毯があった。わたしにとっての「アラブ世界」の原風景。
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これを最初に読んだ小学生の頃は「なんのこっちゃ?!」と全然ピンとこなかったんだけど(これは子供向けの本ではないと断言できる!)、砂漠に強い印象を受けたのを覚えてる(おお砂漠じゃないかー!サハラ砂漠かーー!)
もちろん映画の中の砂漠にも惹かれるわけで、
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比較的新しい作品ももちろん好きなんだけど
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ベタといえばベタですが、砂漠の中の砂漠、THEサハラ!といえばやっぱりこのあたりでしょうか(中東の映画には似たような景色がけっこうでてきますが)。
で、砂漠の何がそんなに魅力的なんだろう?と考えるに、それは圧倒的な自然美と果てしなさがもたらす「不安と不穏、絶対的なモノの存在」じゃないかと。アジアに住まう我々には想像もつかない、豊かさの対局にある過酷な土地。風土。気候。
混乱し、彷徨い、見失い、またさすらう・・・
そんな情景含めてわたしが大好きな砂漠の映画↓
ベルナルド・ベルトリッチ監督はこの作品と「シャンドライの恋」の2本だけで、「わたしの好きな監督」にランクインしました(えらそうw)。匂い、肌ざわり、光、空気を描くのが抜群に素晴らしいと思います。
「シェルタリングスカイ」に話を戻すけど、この作品は音楽家にして小説家、NYから北アフリカモロッコに移住したポール・ボウルズの自伝的小説の映画化。「緩やかに破滅に向かう倦怠期夫婦のアフリカンロードムービー」と要約すると簡単すぎるかな?
第2次世界大戦後まもない1947年、ニューヨークから北アフリカへある夫婦が旅行にやってくる。かつて2人を取り巻いていた活気が薄れ、愛も夢もなくなってしまったことに気づいた夫婦は、この北アフリカで何かを発見できるのではないかと考えていたのだ。しかし、旅行を続ける内にかえって2人の関係は険悪になってゆく……(Yahoo!映画)
「戻るつもりのない旅」が続くということ(トラベラーとツーリストの違い)、「どこまで行くんや?!」って転がり落ちる夫婦それぞれの姿と、「ベルトリッチは単にこのモロッコの風景が撮りたかっただけでは?」と思えなくもない40年代の北アフリカの様子が、独特の突き抜けた破滅と重たさを醸してます(音楽は坂本龍一が担当)。
たしか10代の時に鑑賞して「し、しびれるぜ・・・」と感嘆したのを覚えてる。なんせお金がなかったから1本の映画にかける入魂ぷりったらなかったし、毛穴で映画を観る!ってくらい真剣に観てたなー。
ボウルズの原作を辿る中でビートの作家たち(バロウズ、ケルアック、ギンズバーグ)との共通点なども知り、わたしの趣味嗜好はどんどんメジャーから外れていくんだけどまあそれはまた別の話で、
要するに、砂漠とアラブ世界とロードムービーって好物のトリプルコンボなわけで、「わたしはついにサハラ砂漠でラクダに乗るどー!」という喜びと決意の表明エントリでした^^
★おまけ:シェルタリングスカイ(放題は「極地の空」)冒頭
The sky hides the night behind it, and shelters the people beneath from the horror that lies above. (空はその後ろに夜を隠していて、空の下で暮らす人々を夜の恐怖から守っている)
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